フェノール樹脂とベークライト
フェノール樹脂というのは、5章で述べた熱硬化性プラスチックの代表的な 存在です。その中でも種類は多岐に及ぶのですが、ほとんどのものは熱に強く、 また電気的絶縁性に優れています。従ってヤカンなどの取っ手や、絶縁部品な どによく使われます。
フェノールとはベンゼン(C6H6)の水素基(H-)の一つが水酸基(OH-) に置換されたもので、石炭酸とも呼ばれ、わずかな酸性を持ちます。分子式は C6H6OHとなります。
一方、ホルムアルデヒドという物質(HCHO)があります。シックハウス 症候群を起こすことで知られ、またその水溶液はホルマリンと呼ばれます。
フェノール樹脂は一般に、このフェノールとホルムアルデヒドとが反応し、 重合して生じるプラスチックのことです。フェノールの酸性の元となる水酸基 (その中の水素が電離する)が健在なせいか、塩基性物質には脆弱です。
フェノール樹脂の中でも代名詞的な存在がベークライトでしょう。1909 年に米国のベークランドが工業化したもので、日本ではアドレナリンの発見で 有名な高峰譲吉が工業化に貢献しました。
一方、同じフェノールを原料にしても、硫酸を触媒にすると-CH2-という基 を媒介にベンゼン環が一次元的につながったノボラックとなります。こちらは 熱可塑性プラスチックです。
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