ポリエステルとPETボトル
PETボトルとはどういう意味がご存知でしょうか。街を歩くのにも電車に 乗るのにも、ペットのように連れ歩く飲料だから、というわけではありません。 PETはポリエチレンテレフタレートというれっきとした化学的物質名です。 ベンゼンにカルボキシル基が2つ付いたテレフタル酸とエチレングリコールと の縮重合でできます。ポリエステルと総称されるプラスチック群の代表的物質 であり、耐熱性が比較的高く、強度もあり、成形が容易、そしてリサイクルに も適するということで、ボトルにぴったりの条件を満たしているのです。それ 以外に、薄型映像ディスプレイの反射防止フィルムなどにも使われます。
そのボトルですが、基本的には12章で述べた吹込成形(ブロー)により製造 されます。ただし、ポリエステルの結晶性を生かして、延伸という作業により 強度を高めます。そのためにまず、結晶性プラスチックの持つ、ガラス転移点 と融点という2つの温度について説明しましょう。結晶性プラスチックとはい っても、すべてが結晶になっているわけではなく、結晶部分と非結晶部分とが あります。融点以上になると、その両方が自由に動けるようになります。一方 ガラス転移点以下では、どちらも自由に動けなくなります。そしてガラス転移 点以上融点以下では、非結晶部分のみが自由に動けるのです。
その状態において、結晶性プラスチックを約10倍程度にまでひっぱるのが 延伸です。これにより自由に動ける非結晶部分は分子が整列されて繊維晶とい う状態になります。合成繊維においては、それにより軸方向のみ強くします。 PETボトルの場合は、二次元内のさまざまな方向に延伸させることで、面全 体として強くするのです。こうして炭酸ガスの圧力にも耐える容器ができるわ けです。
ポリエチレンテレフタレートによる繊維としてはテトロンが知られています。 これは商品名で、「帝人」「東レ」「ダクロン」という3社の最初または最後 の文字を合わせたものだそうです。
ポリエチレンテレフタレートに次いでよく使われるポリエステルはポリブチ レンテレフタレートです。ポリプラスチックス社のジュラネックスなどがよく 知られています。
一方、帝人ではポリエチレンナフタレート(PEN)を、「テオネックス」 という商品名で販売しています。PETと比べ、ガス遮断性や耐加水分解性な どに大きく優れています。従来は欧州のビールボトルによく使われていました が、今後は化粧品や医薬品などの容器向けに、需要が拡大しそうです。すでに 日本では全身吸入麻酔剤容器、米国でも一部のエアゾール容器に使われ始めて いるということです。
アクリル樹脂
リライタブルなPET-Gフィルム
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