光や温度に反応するポリマー
太陽電池というのは、第一義的には光エネルギーを電気エネルギーに変換す るものです。その電気はさまざまな形で使えますから、もちろん動力源にする ことも可能です。つまり電気を媒介に、光を動きに変えることは従来でも可能 ではあります。ただし電気という形を一度経由するだけに、太陽電池やモータ からどうしてもロス(熱エネルギーへの本来不要な変換)が生じてしまいます。
これに対して東京工業大学資源化学研究所の池田富樹教授らは、光を当てる ことにより、電気を介さず直接曲げたり伸ばしたりできるプラスチックを開発 しました。これはモータやベアリングなしで動かせるマイクロマシンの可能性 につながるものです。
主体になるのはアゾベンゼンという分子を液晶状に並べたものです。それを 薄く伸ばし、可視光に近い紫外線を当てると10秒ほどで変形します。青や緑の 可視光を当てると元に戻ります。まだまだ応答性は低いのですが、光情報処理 と組み合わせると、まったく電気の要らないロボットというのも可能になるか もしれません。
一方、光でなくて温度に反応して性質を変えるポリマー(感温性ポリマー) もあります。神戸市消防局消防科学研究所はこれを用いて、通常の放水よりも はるかに少ない水量で火事を消す技術を開発しました。阪神・淡路大震災で、 水道管の破裂や防火水槽の亀裂により、肝心の水が不足し、消火活動が難航し た経験を踏まえてのものです。
水に対して感温性ポリマーを約1%、リン酸アンモニウムなどを0.5~1%混 ぜます。この溶液は70~80℃以上でゲルとなるので、実際に火元に届いた後に きわめて流動性が低くなり、その分冷却効果を高めます。また燃焼熱によって リン酸アンモニウムのガラス皮膜が形成され、燃焼中の物質の表面を覆って空 気が遮断されます。
防火用水の代りにこの溶液を用いるだけなので、ユーザー(消火者)側での 特別な設備や訓練は必要ありません。常温ではゲル化せず、多少ヌルヌルする 程度だということです。
プラスチック基板半導体技術
松下電工のFRPリサイクル技術
プラスチックの勉強資料 目次一覧
プラスチックの語源と定義
弾性変形と塑性変形
プラスチックの分子的説明
石油とプラスチック
熱可塑性と熱硬化性
熱可塑性プラスチックの3ランク
ビニル基と代表的な置換基
共重合とコポリマー
合金的プラスチックのポリマーアロイ
異物を添加することによる性能向上
プラスチックの一般的特徴
プラスチックの成形
プラスチックの原点セルロイド
フェノール樹脂とベークライト
熱硬化性のユリアやメラミン樹脂
シリコーンその他熱硬化性樹脂
プラスチックの基本ポリエチレン
発泡スチロール
フッ素樹脂とテフロン
アクリル樹脂
ポリエステルとPETボトル
リライタブルなPET-Gフィルム
CDにも使われるポリカーボネート
ポリアミドとナイロン
生分解性プラスチックの概要
植物からポリ乳酸プラの製造過程
生分解性プラスチック製ノートPC
古紙から生分解性プラスチック
導電性プラスチック
イーメックスが導電性高分子伸縮
シャープの廃プラスチック再生技術
廃プラスチックと燃料電池
プラスチック基板半導体技術
光や温度に反応するポリマー
松下電工のFRPリサイクル技術
※当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます。